特集 包括的な糖尿病対策
血糖モニターと糖尿病の療養指導—その変遷と今後への展望
西村 理明
1,2
,
池田 義雄
3,4
1東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科
2米国ピッツバーグ大学公衆衛生大学院
3タニタ体重科学研究所
4日本生活習慣病予防協会
pp.737-742
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208524
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糖尿病療養指導の手段としての血糖測定の歴史
糖尿病療養指導の手段としての血糖測定の歴史の始まりは,1964年前後に血糖値を試験紙で測定するという簡易な方法が導入された時にさかのぼる.相前後して,実際の血糖値を簡易に測定できる機器の開発が進行していた.
1970年代に入り,アメリカのマイルス社(エームス事業部)によりdry chemistry systemによる簡易血糖測定法が開発された.ここで用いられた試験紙はデキストロスティックスと名づけられ,色調を測定する専用の分光光度計としてリフレクタンス・メーターが考案されたが,かなり大型の機器であった.この機器の改良により1974年に小型化されたものが開発され,わが国ではDexter(デキスター)として13万8000円で発売された.これが血糖自己測定(SMBG:self monitoring of blood glucose)を実用化させる基になった.
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