特集 子どもの貧困と健康
子どもの貧困と食生活・栄養
村山 伸子
1
1新潟県立大学・健康栄養学科
pp.470-474
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208460
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日本の子どもの貧困率は1985年に10.9%,2012年に16.3%であり増加している1).中でも子どもがいる現役世帯のうち,大人が1人の世帯の相対的貧困率は2012年54.6%と高く,ひとり親家庭などで特に経済的に困窮しているといえる.生活意識でも,「大変苦しい」と回答した世帯数は,2001年20.2%に対して2013年は27.7%に増加し,「やや苦しい」32.2%を加えると6割である1).
このような状況に対し,2014(平成26)年1月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が施行され,同年8月に「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定された.また,内閣府の子どもの貧困対策会議では,2015年末に,ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトと児童虐待防止対策強化プロジェクトの政策パッケージを策定した.前者の政策パッケージの中で,児童扶養手当の増額,保育所等の保育料の負担軽減策等の経済的支援の他,子どもの居場所づくりや学習支援の強化が盛り込まれ,放課後児童クラブ等の終了後に生活習慣の習得・学習支援や食事の提供を行うことが可能な居場所づくりが示された.
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