特集 専門医制度の確立と地域医療
扉
pp.317
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208419
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わが国は,1874(明治7)年に医制を発布し,戦前はイギリス,ドイツ,戦後はアメリカを中心に留学者を多く派遣するなどして,欧米の医学,制度を学んできました.今や世界的に評価される医療体制が整っています.しかし,医療サービスや人材の質の保証や標準化については,まだ道半ばの状況にあります.また地域医療システムについては,地域の医療者が主体となって地域医療構想を進めることが求められています.さらに医師,薬剤師,看護師などの医療専門職の質を確保することと,その教育の国際的な標準化を図ることが現在の課題として残されています.その中で医師の教育・研修制度改革は先行して進められています.市中の病院を巻き込み,地域社会の中で医師を育てる制度とされてきています.
また,医学や医療技術の進歩により狭い分野の専門医が増えるだけで,高齢社会の医療ニーズに応えられなくなっています.そのため地域において人間を総合的,全人的にみる医師を教育,訓練して配置することが必要とされています.わが国でも漸く総合診療専門医を育成がはじまることになりました.しかし,公衆衛生医師の育成,訓練,供給する仕組みはまだ未確立な状況にあります.本特集では,専門医制度の進捗状況と,注目の総合診療専門医とはどのようなのか医師なのかについてご解説をいただきます.また,公衆衛生の専門医の育成や認定の現状について,議論にかかわっている有識者の方々からご教示をいただくことにします.
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