発言あり 現代のアメニティ
高まる価値観—調和ある街づくり,他
高桑 栄松
1,2
1参議院
2北海道大学
pp.1-3
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207839
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私は,参議院で環境特別委員会理事を務めたが,つくづく残念に思ったのは「環境影響評価法案」が,2年半の審議の後に廃案(昭和58年11月)になったことである.その後,再提出の動きがしばしばあったが未だそのままである.このことは,わが国がアメニティを論ずる以前の公害防止の原則を,なおクリアしていないということの証左とも考えられるのである.現代社会における価値観の変動の中で最も注目すべきことは,これまでの経済的価値に対して人間的諸価値が重要視されるようになったということであろう.そして,基本的人権としての健康がクローズアップされるにつれて公害が問題となってきた,この価値観の変動は,さらに快適な生活環境に視点を置くアメニティ志向へと発展してきた.
私は,昨年横浜で開かれた「美しい街づくりとアメニティ」を主題とするシンポジウムに出席し,総括として次のように提案した.
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