研究ノート
衛生行政法の基本とその考察
西 三郎
1
Saburo NISHI
1
1東京都立大学人文学部,社会福祉学専攻,社会福祉行政論講座
pp.551-554
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207754
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高齢化社会を迎え,厳しい財政状況のもとで社会保障の見直しすら一部でいわれているなかで,厚生省は,衛生行政にかかわる機構を改革し,医療行政の改革,保健所の検討とともにエイズ対策等の新しい課題に取り組んでいる.このように幅広く衛生行政をすすめている国に対し,財政面のみならず法制面からも各種の批判がなされている.ここでは,これらの批判及び国のすすめている現在の法体系とそのあり方に関する考察を別の機会に譲り,両者の討議の基本となる衛生行政法に関する基礎的な事項を整理し,考察を加える.
この報告は,第46回日本公衆衛生学会総会において口演した「衛生行政法の原理とその考察—エイズ対策,予防接種を事例として—」をもとにまとめた.なお,医科大学等における公衆衛生の講義の中の衛生行政と重複し,国立公衆衛生院における筆者の講義にも含まれている内容の報告であるが,編集者の依頼もありここにまとめた.
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