医学生に対する衛生学公衆衛生学の教育・6
衛生行政
野瀬 善勝
1,2,3
1山口県立医科大学
2山口医大産業医学研究所
3山口県宇部保健所
pp.618-620
発行日 1959年10月15日
Published Date 1959/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202195
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(1)本学の衛生学公衆衛生学の教育は衛生学(大石)及び公衆衛生学(野瀬)の両講座により,衛生学は2年生に公衆衛生学は3〜4年生になされる。衛生行政は3年生の後期に8時間講義を行い,公衆衛生の講義には全てプリントを用いる。これには講義の要目と重要事項,必要な数値,統計図表,その他法規の抜萃等,内容を理解させるために必要であるが筆記させるには聊さか面倒な事柄が書いてある。従つて学生は筆記の労が少なく,講義を聞きながらその場で理解できる。毎回2時間の講義で特定の項目に区切りがつくように纒められている。
(2)衛生行政がお役所的な法律や規則ずくめの事務的にわずらわしい無味乾燥なものでなく,医学者の科学的な知識や技術の活用によつて,如何に多くの住民の健康と生命が守られて来たか。或は又,逆にその失敗例,若しくは現行保健所を中心とした我国衛生行政の長所と欠陥等,過去並に現在保健所長としての体験を豊富に織込んで,学生の公衆衛生に対する学術的な興味と魅力の涵養に努めている。従つて,勢い余つて脱線することが少なくない。脱線しても差し支えないようにプリントが用意されているともいえる。
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