特集 産業医活動
産業医と労働衛生機関
田中 茂
1
Shigeru TANAKA
1
1(財)埼玉県労働保健センター
pp.705-715
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206934
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
従業員1,000人以上の事業所には専任の産業医を選任することになっているが,事業所内に健康管理センターや病院などの産業保健活動を専門に担当する組織を持ち,産業保健活動のすべてを自社内で処理できるところは,極く僅かな巨大企業のみであって,専任の産業医が所属する大企業といえどもその大部分は,産業保健活動のうち労働衛生の専門技術の一部については企業外の労働衛生機関に委託せざるを得ない部分が少なくない.
従業員50人以上,1,000人未満の事業所では,嘱託の産業医が1ヵ月に1回程度しか事業所に出向しない.しかもその嘱託産業医の大部分は地域医療を担当する臨床医家であるので,労働衛生の専門技術の大部分は地域に所在する企業外の労働衛生機関に委託せざるを得ないのが現状である.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.