講座 公衆衛生学の最近の進歩・12
衛生行政・法規
西川 滇八
1
Shinhachi NISHIKAWA
1
1日本大学医学部公衆衛生学教室
pp.944-953
発行日 1981年12月15日
Published Date 1981/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206442
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衛生行政とは,公衆衛生の向上および増進を目的として,行政権の主体である国および地方公共団体が行う活動のことである.しかしWinslow(1877〜1957)が指摘するとおり,従来の公権力を手段とする行政法的な活動のみでは決しられない問題が続出し,組織的な地域社会の努力として,民間の自主的組織的活動も協力しなければ目的の達成が困難な場合がある1).つまりWinslowのorganized community effortsは国や地方公共団体の公的活動と民間団体の私的活動とが結合した地域保健計画に沿った活動ということになろう.
わが国の衛生行政は諸外国と同様に関連法規に基づいて運用されている.したがって行政と法規とは不即不離の関係にあるので,最近の衛生行政についてまとめるには,法規の制定に基づいて記述しなければならない.
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