特集 乳幼児健診—その現代的課題を探る
実験育児学
畠山 富而
1
Tomiji HATAKEYAMA
1
1岩手医科大学小児科学
pp.467-470
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206330
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■はじめに
近年,自閉様行動児,情緒障害児,言語障害児が増加している.一方,被虐待症候児など母子養育不適に関連すると考えられる行動症候が急増し,さらには育児ノイローゼ,自殺,また学校暴力なども社会問題となってきている.すでに平井信義氏1)も指摘するように,"母性愛"とか,"育児行動"とか,"本能的愛"とかは,変貌する社会の中で生態学的にも変化したのであろうか.この問題は,単にその時点の母子関係の重大性のみならず,次の世代にも大きな影響を及ぼすことが明らかとなってきている.
そのような意味から考察すると,"本能的"ともいわれる母子相互作用の意義はきわめて重大である.育児行動といわれる一定の基本的対応行動は,"いつ,どこで,どのようにして"形成されているのであろうか.
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