特集 乳幼児健診—その現代的課題を探る
乳幼児健診と知能障害および精神障害
中島 博徳
1
,
牧野 定夫
1
Hironori NAKAJIMA
1
,
Sadao MAKINO
1
1千葉大学小児科学
pp.459-462
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206328
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■はじめに
従来の乳幼児健診は,一般小児科医により行なわれているものと,児童福祉法(昭和22年)および母子保健法(昭和41年)にもとづく行政的サービスとして保健所などで集団的に実施されているものとに大別される.都道府県における保健所の呼び出し健診のほかに,昭和48年には医療機関に委託して実施する健診が取り入れられた.従来の乳幼児健診の時期については行政上,健診上,能率のよい時期として3〜6か月および9〜18か月(昭和48年)に受診するよう指導されている.また幼児期については3歳児健診(昭和41年)のみであった.昭和52年には1歳6か月児健診が,地域の実情に即するので市町村事業として始まった.公費負担によるものは,昭和44年以来施行されている乳児健診の医療機関委託2回分と,ほかに1歳6か月児健診,3歳児健診があるが,委託健診は地域によってまだ一定していないようである.
今日,小児科学教育の方向が小児疾病学中心であり,実際多くの乳幼児健診にたずさわる地域医療従事者は小児保健に関して興味や関心が不十分と思われる.
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