連載 戦後の公衆衛生
【Ⅴ】公衆衛生と経済
麦谷 眞里
1
,
北井 暁子
1
1厚生省統計情報部
pp.650-652
発行日 1980年9月15日
Published Date 1980/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206157
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■はじめに
戦後の公衆衛生を語るとき,わが国の経済成長による国民の生活環境の変化をこれから切り離すことはできない.戦後,とくに昭和30年代の終わりから.40年代の終わりにかけての10年間,世の中の移り変わりはめざましく,機械化の導入により筋肉労働は極端に減少した.食生活にしても,その質的変化は今までより以上に急速に進み,国民の衛生知識の著しい向上ともあいまって,戦前の死因の第1位を占めていた伝染病は激減した.それに代わり,最近の世の中の関心は,肥満,運動不足へと移り,半健康人の増加とともに,いわゆる成人病が注目されるに至った.
今回は疾病構造の歴史的変化を中心に述べてみたい.
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