地域保健施設の活動
健康度の測定から健康度の増進へ—香川県健康増進センター
竹内 義員
1
,
工藤 隆
1
1香川県健康増進センター
pp.362-363
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206092
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに■
近年,わが国の診断,治療に関する医学は著しい進歩を遂げ,さらには予防医学の発達と健康管理の徹底がこれに関与し,われわれ日本人の平均寿命は伸長の一途をたどって,いまや世界第一の長寿国にまで変貌した.しかし一方では,その死亡原因の上3位を占める脳卒中,癌,心臓病による死亡数が横ばいから,むしろ上昇の傾向をさえ示しており,ここに成人病対策の重要性がさらに認識される理由がある.
従来,これら成人病の対策としては早期発見,早期治療を目的とし,集団検診,人間ドックなどが実施され,疾病予防に効果を発揮しつつある.しかし一方では,社会機構の複雑化から来るストレスの影響や,慢性的運動不足から生じる肥満など,現在の生活には支障は認めなくとも多かれ少なかれ身体的に問題を有する,いわゆる"半健康人"が将来の成人病予備軍として無視できない存在であろう.ここに体力向上,健康増進を目的とした「健康増進センター」構想が厚生省で提唱され,すでに宮崎,長野,愛媛,鳥取の各県において設立,活動を開始している.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.