研究
高血圧の発症に関する都市住民の10年間のCohort Study
鏡森 定信
1
,
成瀬 優知
1
,
岡田 晃
1
,
金川 克子
2
,
山内 清子
3
,
鈴木 祐恵
3
,
川西 徹郎
3
,
井沢 宏夫
3
,
莇 昭三
3
,
奥田 治爾
4
1金沢大学医学部公衆衛生学教室
2金沢大学医療技術短期大学部看護科
3城北病院
4高岡市民病院
pp.70-75
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206018
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Ⅰ.緒言
わが国の脳心事故の発生のrisk factorとしては,その頻度および脳心事故発生のメカニズムからみても,高血圧が最も重要であると考えられている1)2).筆者らは40〜59歳の都市住民を対象に昭和38年以来,循環器疾患のcohort studyを行ない,高血圧の発症要因および高血圧と他の循環器疾患のrisk factorとの関連を高血圧の発症例について経年的に検討するとともに,これらの高血圧の発症例のその後の高血圧の進展を予防するために,保健指導についても継続的に実施してきた3).脳心事故の予防を目的とした高血圧対策をより有効なものとするためには,本態性高血圧の発症をより早期に把握し,血圧の調節を行なうことは勿論,これと同時に他のrisk factorの併発も予防する必要がある.
本研究は,一般に本態性高血圧の発症の時期である成人層のまだ血圧の動揺がみられる初期の高血圧について,これらのことを目的として行なわれたものである.したがって,本研究の成績は,今後の本態性高血圧の早期における対策の確立に資するものと考えられる.
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