特集 80年代の展望—保健・医療・福祉
80年代における医学教育の展望
中川 米造
1
Yonezo NAKAGAWA
1
1大阪大学・医学概論
pp.34-38
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206006
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■はじめに
1970年には医学教育施設は46校でった.この数字は,第二次大戦中に急造された医療教育施設を戦後整理して新制大学を発足させて以来,20年余りそのままの数である.1960年には国民皆保険が達成され,医療需要が急速に増加したにもかかわらず,医学校の新設はなかった.わずかに,各学校あたりの入学定員を増やして糊塗してきたにすぎない.医師不足が各方面から強く叫ばれ,新設認可に踏み切ったのは1971年,そして9年間で医学教育施設数は76に達した.80年代に入ると,無医大県は全くなくなる.
そして,現在の入学定員を続ける限り,1980年度で6,840人,1986年度からは毎年8,280人の医学部卒業生が生まれることになる.
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