講座 公衆衛生従事者のための食生活指導・2
手持ちの食事調査資料を活用する新しい方法
豊川 裕之
1
1東京大学疫学
pp.285-291
発行日 1979年4月15日
Published Date 1979/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205826
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■はじめに
公衆衛生従事者にとって,とりわけ公衆栄養担当者にとって当面する難問題として,次の2点を挙げることができる.
第1の問題は,栄養調査の生データを中央に提出するが,それが国民栄養調査であれ,県民栄養調査であれ,被調査者の個人に有益な形で戻ってこないことである.被調査者だけではなく,実際に調査に携わり,食生活指導の第一線で働く栄養士,医師,および保健婦にとっても有効なアウト・プット・データが戻ってこないことも問題である.返ってくるデータは,全国または県レベルでの平均値(平均摂取量)と個人の,または世帯の平均値(1人1日当たり)であって,近年になって標準偏差値が追加されたけれども,地域保健指導の場では直接に役立つものではない.当事者はいつも靴下掻痒の思いをさせられるものである.
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