特集 地域保健医療計画の実際
府県内の保健医療圏域の設定
小西 宏
1
1厚生省社会保険審査会
pp.13-18
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205319
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はじめに
地域保健医療計画とは,一定の地域社会,すなわちコミュニティにおいて,保健サービス,医療サービス,福祉サービスが融合されたかたちにおいて一貫して提供され,自己完結的に地域住民の健康を守る体制づくり,と解される.
保健サービスと医療サービスを包含した総合医療,あるいは包括医療という考え方が,わが国で大きくとり上げられるようになったのは昭和30年代の半ばからであるが,このような考え方はもとより突然出現したものではなく,敗戦後のわが国が福祉国家として生まれ変わる道程のなかで,社会保障制度を確立するための方策を摸索している過程において既に芽生えており,いち早く医療保障制度を達成した北欧諸国や終戦後早々に発足した英国の国営医療制度,保健福祉を目玉商品として売り出した共産圏諸国の業績が,大きな刺激剤として作用したとみることができよう.
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