特集 第16回社会医学研究会
要望課題
法と健康(演題1〜6)
水野 洋
1
,
青山 英康
2
1大阪府職業病センター
2岡山大医学部衛生学教室
pp.822-827
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205112
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1.はじめに
「法と健康」の要望課題のうち,第一日目午前に報告されたものとその主な討議内容について集約し報告する.6題の報告は健康の面ではすべて職業性疾患についてであり,頚肩腕障害,じん肺,白ろう病が取り上げられたが,この労働者の健康問題に対応する法としては労働基準法,労働安全衛生法,労災保険法,じん肺法などがあり,各報告の法とのかかわり合いは各々いろいろの角度から,また面でなされているため,単純に共通性を見出すことは難しかった.ただ共通することは,具体的問題では,法それ自身よりも,本来その法が生かされる行政や,法にもとづく規則や通達などの面で現象的には大きな問題があることの指摘であるが,同時にそれは法の精神,その法の由来などとも深いかかわりがあることが報告のなかから浮びあがっているものの,この点での討議は必ずしも十分尽くすことはできなかった.
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