特集 地域精神衛生活動
精神衛生相談員と地域精神衛生活動
林 幸男
1
1東京都立精神衛生センター
pp.753-757
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205099
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はじめに
精神衛生法(以下単に法という)の大幅な改定によって,入院中心の精神衛生対策から地域精神衛生対策へと重点を移し変えてはや10年目になる.この地域精神衛生対策の重要な担い手として新たに登場したのが,精神衛生相談員(以下単に相談員という)である.
当初1保健所に2名の相談員を配置する計画であるといわれていたが,その伸びは停滞しており,おおむねその目標に近い相談員を配置しているところは,2府県にすぎない.厚生省によると,国庫補助の対象となっている相談員は,全国で232名であるという.また,新潟県精神衛生相談員一同によるアンケート調査(昭和49年)によると,相談員未配置の県があるほか,配置県でも一部の保健所にのみ配置しているところが多い.しかも,保健所あるいは医療社会事業員との兼務の場合が多いという実情である.東京都では,当初68保健所中12ヵ所に1名ずつの相談員がおかれた.しかし後述の混乱の影響で3名が退職し,補充さえされないまま今日にいたっている.
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