特集 地域精神衛生活動
地域精神衛生の世界的動勢と日本の現状
加藤 正明
1
1東京医科大学精神医学教室
pp.748-752
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205098
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はじめに
コミュニティ精神衛生がピネルの無拘束法とフロイトの精神分析に次ぐ第3の革命であるといわれてから,すでに十数年を経過した.それは監置的ケアから治療的ケアへというグリーンブラットの主張や,病院中心の医療からコミュニティ中心の医療へというかけ声に支えられてきた.欧米でのコミュニティ精神医療ないし精神衛生の過去10年の発展をみても,おのおのの国の医療制度や政治体制に応じ,またその国の内外の政治経済状態に影響されながら,それぞれ独自の発展をしてきたように思われる.ある国では多くの精神病院を廃止し,コミュニティ内のケア・ホームや寮に患者を移したが,その成行きが批判されているところもある.
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