私の意見
地域の健康教育
小松 五郎
1
1横浜市旭保健所
pp.283
発行日 1975年5月15日
Published Date 1975/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205002
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地域保健計画をたてることは,昭和31年から農村を健康化するあらゆる試みが実験的に行なわれ,綜合的な計画がモデル農村で実施され,その中で殊にカとハエをなくす運動が全国を風靡した.昭和35年頃には疾病の早期発見により治療費を軽減するための共同保健計画が保健と福祉の共同で実施された.その頃は保健所の型別再編成の時期であって,やがて昭和40年には母子保健法による業務の市町村への移管があり,昭和48年には保健所業務の効率的運用に関する研究報告があり,最近は保健医療圏の設定が試みられている.
伝染病の多かった時代では,住民の関心に関係なく強力な行政措置である程度解決したものであるが,化学物質の環境汚染による健康障害の予防が主な目標となってきたので,汚染源対策と共に,経験したことのない有害物質に対して健康を守るための知識の修得と,公衆衛生行事への参加をうながす健康教育が必要である.
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