調査報告
愛知県のフッ素暴露地域における地区住民の健康調査
長田 伊三夫
1
,
鈴木 伸治
1
,
大谷 誉
1
,
牧原 勤
1
,
城戸 省二
1
,
大野 純暉
1
,
小島 芳郎
2
1愛知県環境衛生課
2愛知県江南保健所
pp.377-379
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204864
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
こんにち,フッ素が人体にとって必須なものであるかどうかは不明確な点が多いが,少なくともフッ素の歯面局所塗布が萠出直後の歯に大きなう蝕抑制効果をもたらすことは良く知られている1)3).一方,フッ素が自然界に広く分布し,時にわれわれの生活環境をおびやかすことは余り知られていない.
この面でのフッ素による影響は,第1に大気汚染,第2に水質汚濁があり,どちらかといえば人体への緩徐な侵襲と慢性フッ素中毒の発症が問題視されている.大気汚染の問題は,大気中のフッ化物による直接的影響と,大気中のフッ化物が農作物,飲料水,土壌などを介して摂取される間接的影響の両面から評価されるべきであり,水質汚濁の問題は,①常用飲料水の地域的共通性②フッ素の過量検出③フッ素自然混入による斑状歯Mottled teethの集団的出現④耐う蝕性の存在など疫学的見地から検討されるべきである4).
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.