特集 農村の地域保健活動(広見町の場合)
広見町における地域保健活動のあゆみ
堀田 励二
1
1愛媛県広見町保健課
pp.136-140
発行日 1974年3月15日
Published Date 1974/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204812
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愛媛県北宇和郡広見町は昭和30年旧5カ町村(戸数4,054戸,人口21,033人)が合併した農山村である.総面積152km2でそのうち林野が82%もあり,総戸数の80%が農家である.激しい過疎化により,現在では戸数3,840戸,人口13,512人と減少している.農閑期に700〜800人が京阪神を中心に出稼ぎに出かけ,残る主婦も暇をみて,日稼ぎ,内職に追われている.働き盛りの主婦の貧血症,農夫症の多発を引きおこし,さらに老人,子供の健康にも大きな影響を与えている.著しく変貌する農村生活の実態,健康破壊の実態を的確にとらえ,地域住民の福祉行政,健康行政を進めなければならない.それが自治体の重要な役割である.広見町は昭和39年下大野地区診断の実施以来一貫して町共同保健計画に基づいた健康行政を推進している.昭和47年には保健文化賞受賞の光栄に浴したが,この10年間の広見町の地域保健活動のあゆみをふり返ってみたい.
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