特集 結婚と公衆衛生
優生結婚
名取 光博
1
1都立荒川産院
pp.566-570
発行日 1972年9月15日
Published Date 1972/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204540
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男女の精神的,肉体的結合が結婚であり,その結合状態を永続させ,確実なものとするために結婚式があり,婚姻届の制度で,法律的に男女を平等に保護しているのが,結婚の形式である.そのような形式とは別に,多くの夫婦は,しばしば本人たちの意志とは別に,結合の結果として妊娠し,新しい生命を誕生する.それを愛の結晶と呼ぶ.
もっとも,はじめから,新しい生命の誕生を予測し,より優秀な子孫を生むには,どんな男女の組み合せがよいかと,本人,家族,その親せきをも含めての遺伝関係を検討し,これならばと結婚に踏みきる場合も多いであろう.恋愛結婚にしても,その交際期間を通じて,本能的に人はそのような検討を重ねているはずである.優秀な子孫を生み育てることは社会全体にとっても,きわめて意義あることである.
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