特集 法改正の動向
ナンセンスな医療基本法案(第3次)—作文では現実は改良されない
石垣 純二
pp.515-516
発行日 1972年8月15日
Published Date 1972/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204531
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わたしは今年の3月21日厚生省事務当局が社会保障制度審議会に説明した医療基本法案要綱第3次案を一読して,このような抽象的で観念的な作文を議論させられる右審議会の委員諸氏に深く同情すると同時に,こんな作文よりも,当面政府のやるべきまたやりうる施策はたくさんあるではないか.なすべきことをしないで,こんな空証文を議論することにどのような意味があるのか,甚だ疑問に思った.
健康保険法改正案などが流産してしまったこの6月20日の時点で,ナンセンスな作文を批判することに大して意味はないと思うけれども,たっての希望に沿い,しぶしぶながら次のような批判をまとめておく.要は国民医療を良くする意志が政府当局にあるならば,今日ただ今やれることはいっぱいあるという怒りがこみあげてくるのである.
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