私の意見
ヘルス・ニードの変貌に対処する道—座談会「これからの岡山県の公衆衛生活動」(35巻7号)を読んで
内海 和雄
1
1東大健康教育学
pp.642
発行日 1971年10月15日
Published Date 1971/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204365
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地域の健康問題をただ解釈しているだけでなく,それを住民とともにどう解決するか,という視点と問題意識をもって,私たちのサークルは先日ある農村へ調査に出かけました.他の農村地域と同様にその地域も貧困放置農政のもとで,減反,出稼ぎ,等々……で若者がとても少なく,親たちも農業だけではやっていけないと不安がっていました.そして,その地域の住民との懇談会の最後に,「これからのわれわれの主な仕事は老人問題だな」といった老民生委員のことばがとても印象に残っています.このような地域の健康問題はいったいどこからどう手をつけたらよいのだろうか,と,あえいでいるところへ,学生の立場でよいからということで感想を依頼されましたので,簡単に述べます.
まず最初に,大学と行政との関係に焦点を当てたとのことですが,主人公である住民がこの両者に対して何を期待しているのかが加わるとさらに良かったと思います.また座談会にも,医学者以外の公衆衛生従事者に加わってほしかったと思う.
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