講座 地域保健活動・6
市町村を主体とした地域保健活動
三沢 博人
1
1新潟県巻保健所
pp.173-177
発行日 1971年3月15日
Published Date 1971/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204227
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まえおき
昭和30年代前半の比較的ゆっくりした社会の移り変わりのあと,30年代後半のなだれのように始まった急激な社会変動は今日もなお続いている.この間の公衆衛生の歩みは苦悩の歴史を綴ってきたともいえる.たしかにあまりの激動に流されその方向をも見失ったかに見えるときもあった.しかし都市・農村・僻地をとわず,その地域に住む人たちの健康を守り高めるための公衆衛生は,決してその方向を見失うようなことはなかった.それは自からの努力で健康を守り高めようとする地域に住む人たちと,それを助長し推し進めようとする行政的な働き,そして何にもまして公衆衛生従事者がその立場々々で果してきた精一杯の努力の結集によるものだったと思う.ともあれ筆者は幸いにも昭和30年から現在までの激動の15年間を,ひとつの保健所で現場の公衆衛生従事者として過ごすことができたが,この間終始一貫して推し進めてきた市町村を主体とした地域保健活動の歩みの概要について申し述べたい.
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