特集 沖縄の公衆衛生活動
沖縄の環境衛生上の諸問題
新里 芳雄
1
1琉球政府厚生局環境衛生係
pp.95-97
発行日 1971年2月15日
Published Date 1971/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204208
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従来の公衆衛生行政の大部分は伝染病予防対策を中心として進められており,人間が生活している周囲の物の衛生を通じて住民の健康の保持増進をはかるための環境条件の改善あるいは人間生活の基盤となる生活環境施設の整備については極めて不十分であった.近年都市地域への人口集中,産業の発達に伴う産業廃棄物の増大,ごみ,し尿の処理その他生活環境を悪化せしめる要因が多くなりつつあるが,これに即応する施設の整備は財政的な隘路があり遅々として進捗しない現状である.
時代の進歩に伴う環境衛生上の問題は第1に技術の進歩,産業の発達による有害産業廃棄物による河川,海水の汚染,工場,事業場から発生するばい煙その他による大気汚染,放射能による海水,海底泥,海産物などの汚染,工場騒音,家畜家禽の多頭飼育による悪臭および汚水の排出,食品残留農薬,食品添加物などの問題がある.
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