海外事情
これからの対人保健活動の方向を求めて—北欧各国およびイギリスの公衆衛生活動
西 三郎
1
1公衆衛生院衛生行政学部
pp.31-35
発行日 1971年1月15日
Published Date 1971/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204193
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「地域保健計画」「地域や住民のニードにあった活動」とかいう言葉がよく用いられ,またそれらについての論文も数多く発表されています.しかし,それらの内容についてもうすこし考えなおして見てもよいように思います.幸いにも最近WHOのフエローとして,「都市近郊における保健計画」のテーマで欧州を約3カ月訪問する機会を得ましたので,多少なりとも再考の素材になればと2,3の事項について紹介しましょう.ただし訪問した国はイギリス(3週間),スエーデン(4週間),フィンランド(3週間),オランダ(2週間)と限られ,期間も短かく,さらに訪問した施設,機関,話し合えた人びとも,訪問国によりあらかじめ定められていたなどの理由により,国によって見てきた側面も多少異なっていました.なおスエーデンでは「疫学で地域医療ケア計画のシンポジウム」(5月21〜23日於マルメ)に参加し,北欧各国および英,独,米からの参加した研究者より話しを聞くことができました.
はじめに,現在の公衆衛生活動特に対人保健について,母子保健を例として現状とその問題点を見て,つぎに研究の面から多少とも将来の活動の方向について考察をし,最後に社会の動きと対人保健活動の対応についての問題点を考えてみたいと思います.
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