特集 住宅と健康
第8回社会医学研究会・主題報告と総括討議
主題報告Ⅳ
住宅政策のありかた
報告4.不良住宅・不良住区の問題
東田 敏夫
1
1関西医大衛生学教室
pp.659-661
発行日 1967年11月15日
Published Date 1967/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203577
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はじめに
住宅は単に雨露をしのぐだけでなく,明日の労働を再生産する場である。そして安全で,健康的で,能率的で快適な家族生活の団らんと子弟の発育成長を約束する場でもある。もちろん日々の労働生活と社会生活を阻害するものであってはならないし,その環境は身心の安全と健康をおびやかすものであってはならないはずである。
近年,「高度経済成長」と「国民所得水準の向上」がうたわれているが,現実には国民の住生活の困窮は依然としてつづいている。昭和41年9月,建設省の「住宅需要に関する実態調査」によると,全国市部における住宅困窮世帯44%,6年前(35年)よりも8%増加している。
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