研究報告
人工妊娠中絶の統計的研究
廣畑 富雄
1
,
倉恒 匡徳
1
1九州大学医学部公衆衛生学講座
pp.408-411
発行日 1967年7月15日
Published Date 1967/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203495
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はじめに
昭和23年7月に優生保護法が公布され,人工妊娠中絶(以下中絶と称す)が容易に行なわれるようになった。同法はその後2回大きく改正された。昭和24年には経済的理由によっても中絶を行なうことができるようになり,昭和27年には中絶の手続きが簡易化された。中絶数は,本法の公布および改正を背景に急増した。昭和28年以後は,約10年間にわたって毎年100万件以上の中絶数が報告された。近年漸減したものの,未だ非常に多くの中絶が行なわれている。これは公衆衛生上重要な問題であろう。
中絶に関する臨床的研究は多数あるが,全国を対象とした統計的観察は少ない1)2)3)。筆者は政府より公表された資料1)2)4)5)にもとづき,以下に統計的検討を試みた。
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