特集 今後の結核問題
ろんそう
結核の撲滅のために
徹底的な治療と国の暖い手を期待
金井 進
1
1財団法人労働医学研究会
pp.332-333
発行日 1966年6月15日
Published Date 1966/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203260
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変りつつある結核との闘い
結核との闘いの姿が変ってきていることはたしかである。すべての先進文化国家がそうであるように,日本もそのきびを追って結核の姿を変えつつあることは事実である。
その第1は結核死亡率の激減である。第2は重症肺結核の減少であり,第3は年齢的な罹患傾向の移動である。つまり青年病といわれていた肺結核は,死亡,罹患ともひたむきに低下をたどって老人層に山をもつ一つの曲線を示しているのである。第4は病型の変化であろう。1)肺門腺結核の減少2)浸出性肋膜炎の減少3)粟粒結核症および脳膜結核の減少などが,臨床的にみた結核の病型変化をはっきりと示す事象である。
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