特集 住民の保健をいかに進めるか—第5回社会医学研究会・主題報告と総括討論
主題報告
追加報告 大阪八尾市西郡未解放部落の環境改善斗争と民主医療機関の果した役割とその経験教訓
奥山 昭
1
,
南 吉一
1
1阪大衛生・西郡平和診療所
pp.637-638
発行日 1964年11月15日
Published Date 1964/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202931
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すでに1)第16回日本医学会総会,その他各種の全国または地方会議において報告したように,わが国の社会医学の歴史および現況を論ずる場合,その基本的課題の一つとして"未解放部落の衛生の変遷"に注目することがどうしても必要である。なぜなら全国6,000部落300万をかぞえる未解放部落民は,日本社会の底辺として,封建時代の為政者によってつくられてきた"差別"の中できびしい貧困と頑固な疾病に悩んできた。封建時代につくられた差別制度は,支配層が,労働者,農民,市民を最大限に搾取するための必要から温存され,強化され,このため国民の差別観念は助長され,根をはり,部落民は,いまなお二重三重の圧迫をうけている。
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