特集 大気汚染
気管支炎の疫学
安倍 三史
1
1北大公衆衛生
pp.647-657
発行日 1963年12月15日
Published Date 1963/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202757
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気管支炎問題がここ数年で大きく取り上げられてきた。今までは結核の大きな影に遮られて見捨てられていた気管支炎が(1)肺結核が化学療法で一応おさまったこと,(2)肺機能検査技術の進歩が呼吸器疾患の病態生理の研究を早めたこと,(3)国土の都市化と産業化が大気の汚染を増したこと,(4)慢性気管支炎が肺気腫・肺センイ症・肺性心の原因として重要視されてきたこと,などの背景に支持されて大きく登場してきた。いうならばリバイバルされた疾患の1つである,慢性気管支炎の定義も診断基準もまだ確立されず従って整理された世界の研究業績は極めて少ない。ここには国々の統計をもとに,累積された現象の中から事実を抽き出し,さらにその原因を探求し予防へアプローチする資料にもと考え気管支炎の疫学をものした。
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