綜説
昭和36年末の結核登録者の実態
島田 晋
1
1厚生省結核予防課
pp.95-103
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202631
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I.はじめに
昭和26年結核予防法の制定以来,わが国の結核対策は着々とその歩を進め,その間昭和28年,33年の2回にわたる結核実態調査に明らかなように結核症に対する諸問題は一般的に好転を見ている。しかしさらに結核患者に適正医療の受療促進を目的として患者管理を拡充強化すべく昭和34年度に217保健所がまずその第一歩を踏みだしてより,35年度には209保健所が結核特別推進地区に指定され,36年度からは全保健所が患者管理対策を中核として調和のとれた高水準の総合的結核予防対策を強力に推進している。
従って新方式による患者登録票を整備した結果 患者の病状および受療状況,要観察者の経過また登録者の家族状況および生活環境等が一目でわかるように記録されることとなった。この登録票の整備は患者管理の基本であり,さらに整備された登録票にもとづいてきめの細かい結核対策が実施されるのである。すなわち結核予防法では患者管理の目的を達成するために必要に応じて登録者に精密検査を行なう事を規定しており,一方では保健婦等の家庭訪問によって適切な指導と効果を期待しているのである。
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