原著
鞭虫駆除剤の研究—第2報 1-Bromnaphol—(2),Tetrachlorethylene,Piperazine hydrate,Dithiazanine,4-Iodothymolによる駆虫効果の比較/第3報 駆虫効果判定の時期についての一考察
青野 宏
1
,
佐藤 淳夫
1
,
島谷 敏男
1
1京都府立医科大学医動物学教室
pp.591-598
発行日 1961年10月15日
Published Date 1961/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202453
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鞭虫駆除剤として,その有効性が確かめられたものは,Swartzwelder,他(1957)により報告されたDithiazanineがあるのみで,これまで使用されてきた種々の薬剤はいずれも主として,回虫鈎虫などの駆虫剤を鞭虫症に試用したもので,正確にその効果の追求がなされていない。われわれは前報において,Dithiazanineおよび4-Iodothymolを用いて,鞭虫に対する駆除効果を検討した結果,鈎虫駆除剤である4-Iodothymolが,Dithiazanineとほぼ同様の鞭虫駆除力を有することを知つた。またわれわれは,鈎虫症に対し1-Bromnaphthol(2)またはTetrachlorethyleneを使用して,その瀘便時にしばしば鞭虫虫体を採集することも経験しており,鞭虫に対しある程度駆除力があると考えられるので,これら薬剤を種々の量で投与し,また同時にDithiazanineの少量長期投与を試み,これら薬剤の駆除効果を比較検討した。以下にその成績を報告する。
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