特集 公衆衛生学会を顧みて
公衆衛生学会印象記
—総会シンポジウム・特別講演—都市計画と公衆衛生
庄司 光
1
1京都大学工学部
pp.3-6
発行日 1961年1月15日
Published Date 1961/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202355
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道路,交通,住宅問題,公害問題などの一連の都市問題の解決は都市計画に期待する所が大きい。その意味で第16回日本公衆衛生学会で都市計画と公衆衛生に関するシンポジウムを企画されたことに敬意を表しつつ拝聽した。シンポジウムは一般口演5題と特別講演3題から構成されており,個々の口演ないし講演は以下紹介するように夫々興味あるものであつたが,全体的な構成には有機的な統一が欠けていたという印象が強かつた。学会のシンポジウムはその年の重要な問題をとりあげ,学会全体の協力で,今後の私達の研究方向,実践に示唆を与えることが使命かと思われる。以下シンポジウムの内容を述べると共に,都市計画と公衆衛生の問題点をあげてシンポジウムの印象記としたい。
一般口演は大阪府立公衆衛生研究所の梶原三郎所長が座長となられ,先陣は関西医大の東田敏夫教授であつた。同教授の演題は「団地における生活事情と保健施設に関する調査研究」第1〜3報で,この研究は関西医大公衆衛生学教室,大阪府枚方保健所,大阪府衛生部の人々の共同で行われたものである。
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