医学生に対する衛生学公衆衛生学の教育・15
母性小児衛生
相沢 龍
1
1長崎大学医学部公衆衛生学教室
pp.380-383
発行日 1960年7月15日
Published Date 1960/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202291
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I.はしがき
公衆衛生学の講義は臨床医学との関連性の点で3〜4年生に行うのが適切と考えられる項目が多いが,本学では衛生学は1年2学期から2年1学期,公衆衛生学は2年2学期から3年全期に行われるので,主題の母子衛生の講義は3年2〜3学期に7回(14時間)行つている。各項目毎の講義時間数には限度があるので,講義には講義要目・主要事項の要点・必要な統計資料等をかかげたプリントをあらかじめ学生に配布しておき,少い時間数を出来るだけ有効に利用し,かつ現実的な関心を深めるよう工夫しており,学生にはその日の講義内容をあらかじめ理解させ,その場で講義をよく理解させるように努めている。勿論講義をきいてはじめてプリントの真の内容の理解が可能である点は常に注意を与える。
講義のはじめに先ず母子衛生の公衆衛生学的意義を強調する。小児は個体の成長発育の時期にあつて未完成の存在であり,殊に乳児の健康は種々の条件に影響され易く,従つて個々人の保健のためのCommunity Planのうち,小児衛生が如何に効果的かつ重要であるかを述べ,それ故に母性保護も又極めて重要な点を強調して各論に入る。
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