医学生に対する衛生学公衆衛生学の教育・2
環境衛生(1)—空気・衣服・住居・公害
北 博正
1
1東京医科歯科大学医学部衛生学教室
pp.393-395
発行日 1959年6月15日
Published Date 1959/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202153
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本学医学部の衛生学公衆衛生学の教育は衛生学及び公衆衛生学の両講座により,1年から4年まで引続き行われ,表題の項目は2年の前半,週1回2時間,計約16回をあてており,1年の統計学(方法論),人口学,優生学に続いて,いわゆる狭義の衛生学の一部として登場するわけである。しかし,現在の医学生は進学課程入学の当初から,大部分が臨床医をめざし,すでに専攻科目まで一応きめている者も珍しくないので,このような項目について,あまり興味をもたない傾向がある。
そこで教育効果をできるだけあげるためには,工夫を要する。私は学生の大部分が将来,臨床医になるという前提のもとに,教育内容をできるだけ臨床と関連させ,また臨床医になつても役に立つような話題をえらぶよう努力している。即ち研究者としての立場と教育者としての立場を使いわけなければならないことは厄介なことであるが,public health mindedの臨床医を育てることを第一義的に考える教師としての責任を果したいと考えている。
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