原著
腸チフス患者多発地区で捕獲したねずみの臓器内から分離されたS. typhiの1例について
高橋 末雄
1
,
山口 与四郎
1
,
佐々木 建夫
1
,
池田 和雄
1
,
難波 諄士
1
,
辺野 喜正夫
2
1東京都衛生局予防部
2東京都衛生研究所
pp.290-291
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202134
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緒言
本郷保健所管内においては昨年の夏,駒込片町,駒込神明町を中心として,その隣接地区に29名の腸チフス患者が発生したが,今年もこれと略々同一地区内に5月から9月にかけ24名の腸チフス患者が発生した。このように同一地区内に2年連続して菌型を同じくする患者が多発したことは注目に価する事実であつて,東京都においては,これが感染源と伝染経路の調査につとめているが,その一環として患家ならびにその周辺のねずみを捕獲し,都立衛生研究所において保菌状態を調査したので,その結果を報告する。
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