特集 保健所管理
保健所管理の技術的基礎
橋本 道夫
1
1厚生省公衆衛生局保健所課
pp.16-25
発行日 1959年1月15日
Published Date 1959/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202068
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はじめに
戦後の新しい保健所も既に10年の歳月を経た。近年医療保障体制の確立が進められるにつれて保健所の在り方も既に過去10年の型そのものから次の新しい段階を開いてゆかなければならない時期に直面しつつある。保健所を如何に運営管理するかを,理念の上から,言葉の上から,又一途に実践の立場から相当な体験を私達は蓄積することが出来たが,この転換の時期において我々に今最も不足しているものは具体的な又出来るだけ客観的な諸種の係数を判断しながら,方針を決定し,又実績を把握検討することではなかろうか。"補助率が低い","予算が不足だ","人が足らない"等これらはすべて現状を左右する最も決定的な因子である。
しかし,今"どれだけやる仕事があるのか"。"それをやるにはどのような職種の人がどれほど必要か","現在はどのような程度に,人,金,物,仕事,をもつて行つているのか","不足とするならば何がどれほど不足なのか""方針をかえるとするならば何をどのようにかえるのか","そのために現在の人と業務にどのような影響を来すのか"などと現実の行政機構の中におりこむためには是非とも見当がついていなければならないことで,部外者の人をも充分納得させるようなことのできるような資料や見解が余りにも乏しいのではなかろうか。
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