原著
「おむつかぶれ」に対するビタミンA. D. 入軟膏の治療経験
松隈 恒夫
1,2
1九州大学医学部衛生学教室
2八幡市保健所
pp.53-54
発行日 1957年8月15日
Published Date 1957/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201867
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まえがき
乳児間擦性湿疹は乳児の中でも異常体質児に多くみられる皮膚疾患であり「おむつかぶれ」Diaper Dermatitisは保健所で行つている乳児健康相談においても屡々その治療について相談を受けることが多いものの一つである。
乳児間擦性湿疹の発生原因についてはFinkelstein1)以来Czerny Coohe,Moro2)高橋3)等が述べているが治療面では比較的に等閑視されアメリカのDiaparene Ointment4)のように手軽に「おむつかぶれ」等に用いて効果のある薬剤が少く,家庭治療としてはオレーヴ油やチンク油の塗布等をすすめるのみで重症例は殆んど皮膚科医の手を煩わしている状況であつた。しかし乍らビタミンA. D. 剤の乳児湿疹に対する応用がさかんになると共に乳児間擦性湿疹の治療も家庭で可成り出来るようになつた。
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