綜説
赤痢問題の徹底的検討
平山 雄
1
1国立公衆衛生院
pp.15-20
発行日 1957年6月15日
Published Date 1957/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201834
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1.はじめに
「万策つきた」という言葉が,割合簡単に使われているが,その「万策」に近い防疫関係者の奔命にかかわらず,わが国の赤痢は年々猖獗を極めている……。
これは,新潟県衛生研究所篠川至所長の言(日本臨床13巻7号,昭和30年7月)であるが,既に2年を経た今日でも,事態は少しも好転していない。後世の歴史家はいかにこれを記述し批判するであろうか。それを考える時,改めて赤痢,疫痢問題解決に新鮮な意慾を燃やし,あるべき対策の姿について徹底的検討を行う必要性を痛感する。
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