特集 最近の医学の話題
心臓外科
杉江 三郞
1
1東京大学木本外科
pp.54-55
発行日 1956年8月15日
Published Date 1956/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201724
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瞬時も休むことなく,生涯を通じて搏動を続ける心臓が人間の生命にとつてきわめて重要な器官であることは今更いうまでもない。この間断なく活動を続ける重要な機能をもつた心臓に対して,治療のメスを加える心臓外科がここ数年間我が国においても現実の問題となつてきたことは,まことに医学のなかの大きなひとつの進歩といわなければならない。しかし現在外科臨床の方面でみられる多くの進歩が,ただそれだけで独立して発展したものでなく,その根底には麻酔,抗生剤,輸血,シヨック,生体反応,あるいは精細な病態生理等に関する知見の展開が基礎となつていることは確かであり,心臓外科もその例外ではあり得ない。これらの基礎的事項が密接に結びついてはじめて今日のような花を咲かせ,実を結んできたものと考えるべきであろう。
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