寄生虫の諸問題 研究報告
公衆浴槽内における寄生虫卵檢査成績
淸水 重矢
1
,
中林 正子
1
1日本獸医畜産大学寄生虫学教室
pp.36-38
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201605
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ある種の寄生虫保有者の肛門周囲,臀部などは,その種の寄生虫卵によつてある程度汚染されるものである。汚染の程度は寄生虫の種類,寄生濃度,用便後の清拭の精粗,清拭に用いる用紙の紙質,入浴の頻度など各種の条件によつて左右される。肛囲,臀部,会陰部,手指などに付着した寄生虫卵は,入浴によつて洗い落され浴槽内に遊離する。
公衆浴場における浴湯が,実際どの程度寄生蠕虫卵によつて汚染されるものであろうか,これに関しては三浦ら(1953)の熊本市での報告があるが,東京都所在の公衆浴場における実情を知るために,武蔵野市内のそれについて検査を行つたのでその成績を報告する。
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