ルポルタージユ
新潟縣衞生研究所
pp.35-36
発行日 1954年5月15日
Published Date 1954/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201381
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信濃川が悠々と日本海に注ぐ所に東西新潟を結ぶ2つの大きな橋がある,1つを万代橋,1つは昭和橋と云う。この昭和橋のたもと信濃川畔に新潟県衛生研究所がある。探訪記者の任をおびて研究所の門をくぐる時は,北陸の空は既に鉛色,信濃川は妙にさざなみがたっていた。
受付嬢の案内で階上の所長室に通される。篠川所長は検査室に行かれ,しばし御猶予をとの由,無人の部屋で屡々行われる大抵の人の仕草に習い,失礼とは思い乍ら部屋をゆつくり観賞させて戴く。正面の壁の2つの表彰状に先ず眼が止る,新潟県下の発疹熱に関ずるものと,昭和28年度の保健文化賞のそれである。書棚には昭和28年以来の研究報告60余編が夫々のボツクスに收められぎつしりと並んでいる。2つの表彰状と数多くの研究報告から推して,篠川所長以下職員諸氏の活躍ぶりが想像され,これから観る検査室の実際の活躍状況に 唯ならざる期待感が溢れて来る。程なく長身の篠川所長がやつて来て探訪子の意とする所を既に解され,早速案内に及んで戴く。
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