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ムンプス髓膜腦炎/ロツクフエラー財團の事業
pp.36,47
発行日 1952年11月15日
Published Date 1952/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201134
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ムンプスの紳經系統への侵襲:以前はかゝる症例はムンプス流行時患者との密接な接觸という既往歴がなければ診斷し得ずに,不明熱性疾患或は無菌性リンパ球性髄膜炎として片附けられていたが,著者はLevisonand Thordarson(1942),Bang(1943)Holden(1946)及びBroun(1948)等の報告を紹介して,1951年1月27日初發患者を出してから35日間に自ら經驗した14例のPreparatory School(Public Schoolへの豫備校一英)に於ける發生に就て臨牀的,實驗室檢査法とによつて觀察をしている。即ち39名中15名がムンプス經過者で殘りの24名中12名の少年と職員2名が罹患し,その内容は耳下線炎のみの9者(内1名職員),耳下線を伴う髄膜腦炎7名(内1名職員),及び耳下腺炎なしの髄膜腦炎4名で後者の11名に就ての臨牀所見は發熱,頭痛,嘔吐,頸部強直,ケルニヒ氏症状を呈し熱の持續は1〜7日,髄液にリンパ球を認め,クロール,プロテイン,糖は多く正常で所謂腦膜炎症状を示しnon-Paralytic,Poliomyelitis(非麻痺型灰白髄炎)に類似し,Kilhamの指摘して居る樣に流行閑期にムンプスで髄膜腦炎を起すのが多いので診斷を特に困難にしている。
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