論説
再訓練の必要性
佐藤 恒信
pp.2
発行日 1952年8月15日
Published Date 1952/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201079
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國家作用の1つとしての行政は,社會を對象とする。行政の對象である社會は,絶え間なく發展し,文化的向上の一途を辿つている。近代社會のこの著しい進展の流れに即して,社會行政が遲れずについてゆくためには,行政手段並びに行政經營の面において,高度の技術化が求められることは必然である。
衞生行政が,社會行政の一分野である限り上述の2つの面の技術化を要求せらる點に於て決して例外ではあり得ない。むしろ衞生行政の本質から云つて,他の部面にくらべ,より高度の技術化を必要とするものである。即ち科學的の基礎づけ,技術的の裏打なくして衞生行政の滿足すべき實踐は考えられない。茲に衞生行政にたずさわる人の問題が眞劍にとり上げられなければならない意味があり,殊に衞生技術者の再訓練の必要性が認められる理由があるのである。
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