研究と資料
昭和23年傳染病流行概況
野邊地 慶三
pp.225-227
発行日 1949年2月25日
Published Date 1949/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200426
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次表は厚生省豫防局衞生統計部の衞生統計速報第1號所掲の昭和23年,全國傅染病届出患者數及び死亡者數と前年同期間のそれとの比較表である。但しこれは週報に基く數値であつて昭和23年の數値は第1週(昭和22年12月28日)から第53週(昭和24年1月1日)までの届出數であり,昭和22年の數値は第1週(昭和21年12月28日)から第52週(昭和22年12月27日)迄の届出數である。又昭和22年の計數のうち,ましん,百日咳,流感,黄熱,破傷風,肺炎,産じよく熱,狂犬病,炭そ,鼻そ,結核,らい及びトラコーマは第9週から,急性灰白脊隨炎は,第36週から届出ることになつたので,これらは夫々の週からの累計であつてその比較をするために昭和23年の計數にも( )を附して對應して表示してある。なお傳染性下痢症は昭和23年27週から掲げることにしたので( )を附してその他のものと區別してあるのである。
赤痢,腸チフス及びパラチフスは昭和22年は21年に比して約半減したのであつたが,昨23年も亦22年に比し同樣にほゞ半減して居り此等級數的に激減しつゝあることを示して居る。痘瘡及び發疹チフスは昭和22年は21年の大流行の餘波で尚發生が多かつたが昨23年は著減し流行漸く終ろうとして居るのが見られる。ヂフテリヤは昭和20年以來,毎年半減して來て居つたが,昨23年度も前年に比し大體同率で遞下を績けて居る。
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