予防と臨床のはざまで
予防医療医の夏(前編)
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.725
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103121
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今年の東京は,亜熱帯化したかと思うような突然のスコールや台風の襲来など特に暑い夏ですが,それに負けないくらい”熱い”研究会やセミナー,講演の機会に恵まれました.今回は予防医療医の日記風に,今年の夏を振り返ります(今回の前編では6月).
6月前半には,産業看護の集中講義を担当.次年度からは,保健師資格の選択制が始まり全員が保健師の受験資格を得られなくなります.個人的には,保健師資格の選択制や大学院化は,臨床を知り,予防に熱意をもつ学生の進路を狭めてしまうものと感じています.出来るだけ多くの学生に,働き盛り世代の健康支援の楽しさとやりがいと伝えたいと,授業にも思わず熱がこもります.恩師から引き継いで約10数年,今では関東を中心に4大学で毎年600人の学生を教え,多くの卒業生が関連する企業等に就職しています.12日夕刻は,さんぽ会月例会.産業医や産業看護職だけでなく,産業保健に興味を持つ学生も多く参加してくれました.今月は立道昌幸先生(東海大学医学部基盤診療学系公衆衛生学教授)をお招きして「IT時代における視野測定の意義」についてご講演いただきました.日本人の緑内障患者のうち90%以上は正常眼圧緑内障であり,GSPOH(ジスポ)研究の結果から,FDTスクリーナーを用いた短時間で計測可能な「視野検査」を職域健診に導入する意義について述べられました.
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