特集 超高齢社会―大都市の高齢者支援の課題
大都市における在宅医療者に対する地域医師会の役割と実践
中村 正廣
1,2,3
1大阪市東成区医師会
2大阪府医師会調査委員会
3医療法人中村クリニック
pp.627-632
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103095
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はじめに
高齢化率が大阪市内第13位の24.7%と,東成区は,老朽化した密集木造住宅,長屋を住まいしている老老世帯,単身高齢者が多いところである.当区医師会員の平均年齢も府下で上位の62歳と高齢化している.105か所の診療所開業医の中で「在宅医療」をされている開業医は4割を超えているが,後送病院との連携を保ち24時間体制の「機能強化型在宅療養支援診療所」を算定している診療所は15か所で,要件を満たせないとして撤退する診療所も出てきている.
その中で,患者・医師との信頼関係を持つ「かかりつけ医」による在宅医療が,地域居住の成否に関与すると考える.在宅死が2割に満たない現状から,「かかりつけ医」を選ぶときに,将来の在宅機能を考慮しない高齢府民が増える中で,地域医師会は「地域医療連携室」を設置し,地域居住を可能とする在宅「かかりつけ医」の紹介を推進している.
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